「あなたはコンピュータを理解していますか?」
後半になってやっとコンピュータ的な話になってくるのですが、前半は情報理論の話でした。自分としてはむしろ、前半の方が興味深かったです。
前半の話は、エントロピーとチャネルの話です。
エントロピーとは情報の有難さのことです。サンキューのありがとうじゃなくて、なかなか無いという意味での有難さです。つまり価値があるということ。
ただおもしろいことに、たとえば英字一文字には4.75ビットのエントロピーがあります。でも実際に英文として英字を使っているときには、1.33ビットにまでエントロピーが下がります。これは日本語も同じようで、全エントロピーの3割程度の割合になるそうです。このくらいの濃度が人間にとっては気持ちがいいようです。逆に100%の濃度だと、人間がその情報を摂取するには濃すぎるということです。
チャネルというのは情報を伝える経路のことで、パイプみたいなものです。空気もそうだし、電話もそう、インターネットだってそうです。あと脳から情報を伝えるということで、手もそうです。とにかく情報が伝わることが出来る経路のことをチャネルと呼びます。
チャネルには太さがあります。じかに会って話す場合はチャネルは太いですし、電話では声だけになるので細くなります。メールなんかはもう文字だけなので、そうとう細くなります。
このチャネルの太さによって、どれだけエントロピーを伝えられるかが決まります。そして興味深いことに、我々の目というチャネルは案外と細いのです。つまり僕たちはいろいろものを見ているようで、それが脳に伝わるときには大部分が削ぎ落とされてしまうのです。実際我々の意識に上る情報量というのは、それほど多くないようです。
前半の終わりで、情報とはなんなのでしょうか?という問いがあります。それはつまり有難さ=価値があるということなのですが、そもそも価値があるとはどうやって決まるのか。価値を決めるには、それを理解する知性がいなくてはなりません。この知性とはなにか、ということになるとよくわかってないみたいですね。。
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