イヴの時間

観てきた@池袋テアトルダイヤ。
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心を持ったロボットが、人間社会からの反発・排斥を受けながらも、主人公達とは心の交流をしていく、という話。少し前だったら、自分もロボットと人間の間にはやはり根源的な違いがあって、その交流もニセモノというわけじゃないけど、人間同士とは違ったものなのではないか、と思っていました。けれど、『脳はなぜ「心」を作ったのか』を読んで、十分にニューロンネットワーク的な回路が発達したロボットは人間と同じなのはないかと考え始めるようになりました。正確に言うと、人間の心がそれほど神秘的・特権的なものではない、ということなんですけど。
さらに思い出したのが『アイの物語』です。心がロボットと人間とで同じものだとすると、ロボットの性能がより上がっていけば人間のそれを追い越す時がやってきます。そういった世界を描いたのがこの作品。人間には理解できない高次の言語でロボット同士が会話したりします。そして、もしかするとこの世界は実現するかもしれないなと思い始めています。「人間の尊厳が」と言われるかもしれないですが、現在だってタイガー・ウッズのようなゴルフはほとんどの人にできないですし、それについて「オレのゴルフの尊厳は」とは言わないです。心がロボットと人間で同じものであるとすると、能力差は人間の間でもある単なる個体差なわけで、それと尊厳とは別ものです。ロボットと人間、両者に同じ意味での尊厳があることになります。