カラリとした軽さ

 『ヒストリエ』の世界では結構人の命が軽いんだけど、そのドライさが何かに似てるなぁと考えてみたら、福沢諭吉に似てるんだ。いま、『福翁自伝』を読んでるんだけど、その中の諭吉がそんな感じだ。初めて日本からアメリカに行く船(船員も航海術を習ったばかりの日本人、もちろん沈む可能性だって十分あり)にさっさと乗り込んで渡米してしまうんだもの。昔の人ってのは案外その辺無鉄砲というかいい加減だったのかもしれない。今と比べれば人の死を実際に見ることも多かっただろうし。現代はちょっとしたことで大騒ぎだもんな。