小説

 恩田陸の『夜のピクニック』を読む。よかった。切なくて豊かな思い出がひとつ増えたような感じがする。架空の物語だけどさ。でもなんか、自分の中で「足し」になってる感じがする。
 久しぶりにハードカバーの小説なんて読んだんだけど、いいものだね。懐かしい読後感だ。小学生以来かも。ずっと小説、特にハードカバーのなんて読んでなかったからなぁ。小説を楽しむには、自分の中にある程度の種類の感情が経験されてないとダメだね。過去に実感した感情を呼び戻して、それらをパレットの絵の具のように混ぜ合わせながら、小説というモノは楽しむものだと思う。だから、感情のバリエーションが無い人が小説を読んでも、よく味わえないと思う。自分の体験したことのない感情は呼び起こせないからね。