的場健「まっすぐ天へ」

ネットを巡回していたらウィキベディアの「軌道エレベータ」の項に行き当たった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%8C%E9%81%93%E3%82%A8%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%BF
そのなかに軌道エレベータを扱った作品として「まっすぐ天へ」というまんががあることが書いてあり、ちょっと興味を持って仕事帰りに八王子まんが王に寄った。
まんが王は知る人ぞ知る、八王子ではもっともディープな部類に入るまんが専門店である。平積みの新刊にカバーがかかっておらず立ち読みができる。だが、あまり読みすぎると店員に注意される。というか注意されたことがある。
棚を見て「まっすぐ天へ」を探すがない。言ってもある程度のまんが読みなオレであるので大体のメジャーなまんがはもちろん見つけられる。が、そんなオレでもこのまんがは聞いたことがなかった。たぶんすごいマイナーなまんがだと思う。
なので検索してもらおうと思い店員に声をかけた。
「「まっすぐ天へ」ってありますか?」
そしたらその店員、「あー、そのまんがね。軌道エレベータの話ですよね」と言う。さらに「おもしろいんだけど、1巻が出て、それから続巻は随分出ていない。あんまり売れないんですよ」という情報まで教えてもらった。なんだあんた、こんなマイナーなまんがまで知ってるのか! まんが王侮りがたし!とオレは思ったのであった。
まんがは取り寄せて棚に置いておくので、気の向いたときに手に取ってくれ、とのこと。この辺もシャイな人が多いまんが読みの心性を知り尽くしたサービスっぷりで、電話番号を聞き出さないところなどニクい心遣いである。
ということで、数日経った今日また行ってみたところ見事にそのまんがはあったのであった。ちなみにその店員さんは今日は見かけなかった。
 
そんなわけで読んでみた。おもしろい! ハードコアなSFまんがだ。でも「銃夢」みたいな感じではなく、現代日本を舞台とした現実的な内容。主人公が日本宇宙開発局に勤める兄と建築会社に勤める弟。このふたりがかっこよくて熱い! 技術検証もきちんとしていて荒唐無稽な話でもない。科学技術的政治的にも読み応えがある。すごく知的好奇心をかき立てる、おもしろいまんがだ。
が、売れないってのも判る気もする。だって女の子、ひっとりも出てこないもんw
切りのいいところで1巻が終わっているが、続きはやらないんだろうか。まあこれだけきちんとした検証のあるまんがはそう簡単には量産できないだろうから、気長に待つけど。1巻が2004年4月発行。また再開してくれないかな。

まっすぐ天へ 1 (モーニングKC)

まっすぐ天へ 1 (モーニングKC)