黒山もこもこ、抜けたら荒野

ほんわか面白いなぁ。相模原のベッドタウンで生まれ育った著者(女流詩人)が、自分の人生の遍歴から社会を語る本。文章がとてもうまく、自分がモヤモヤと社会に対して思っていたことを的確な言葉にして表現してくれた感じがする。そしてすごくまっとうな視線で書かれていると思います。
日本の特に若年層の生活状況はキツくなってきているんだなと思う。そしてそれはこれからよくもなっていかないだろうとも思う。ただそれは高度経済成長期の幸福像(夫婦と子供二人、妻は専業主婦、郊外にマイホームを持ち休日はマイカーでドライブ)をモデルケースにしているからではないか。その幸福像は高度経済成長の時代にのみ適合した幸福像なのではないか。そういった既成の幸福像に自分をあてがうのではなく、それぞれのカスタムメイドな幸福像を自分で作り出してはいけないだろうか。

黒山もこもこ、抜けたら荒野  デフレ世代の憂鬱と希望 (光文社新書)

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